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芸術の秋!

初秋の心地よい風が吹き始めて
季節が変わる中皆さん
お元気でお過ごしでしょうか?

久しぶりに美術室からお届けします
今回はちょっと”ダーク”な世界感の展示が渋谷ヒカリエにて開催していたので行ってきました

“ダーク”な世界感は
暗く 不気味で不安定な感覚で
希望が薄い雰囲気を指しますが
(実は結構好き🖤)
暗い色調や低い照明が使われて
視覚的に不気味な雰囲気を
醸し出して絶望などのテーマが
中心にあって物語に影響を与えます

そして
“デカダンス”
文学.美術.音楽.社会などの様々な
文化領域で
過度な贅沢や堕落
退廃的な要素が強調される傾向を
指す言葉“デカダンス”
(実はこの感覚も好き🖤)

デカダンスは
19世紀末から20世紀初頭にかけて特にヨーロッパの文化において
顕著でした

“デカダンス”の特徴は
過度な官能性と退廃的な主題
不安や虚無感を
表現することがあり
これらは文学作品や絵画や音楽やもちろんファッションなどの中で見られる感覚です

そして
有名なデカダンスの作家には
オスカー・ワイルドがあげられると思います
彼の作品はデカダンスの精神を
反映しているのです

KireiProject 美術室230926_01

最もの代表作が戯曲”サロメ”
でしょう
1893年に初演されたそうで
物語は新約聖書の独自の解釈により
古代のユダヤの宮廷で起きた出来事を描いていて

物語の中心には
妖艶な美女サロメがヨカナーン
(イエス・キリストが登場する前の”先駆者”と言えばいいのでしょう)に恋をしますが
ヨカナーンは彼女の愛を拒絶し
サロメは彼に対する執着心が増すばかり
その上サロメの母は
サロメのためにヨカナーンの死
を望みます

王の愛欲の為にサロメは
“七つのベールの踊り”
(土屋太鳳が演じて話題に)を
月光に照らされた宴の席上で披露することと引き換えに
褒美として銀の皿に載せられた
ヨカナーンの生首を所望する…

最終的に彼の首を手に入れ
サロメはヨカナーンの首を
持って舞台に登場し
頭だけの彼にキスをするという
ショッキングな結末で幕を閉じます

“サロメ”は官能的で物議を
醸す作品として知られ
退廃的な描写の為
国によっては宗教上の理由で禁止されたりしながらも
美術.文学.音楽.ファッションなどのさまざまな分野に影響を与えました

発表から100年以上経た現在でも
オペラや演劇の演出など
表現者たちの好奇心を刺激し
時代によってさまざまな解釈が
行われ芸術的題材として
扱われ続けています

そして今回の展示では
“サロメ”の物語に魅了され
その中に秘められた
深淵の世界に潜む

ギリシア神話の愛の神・死への誘惑
エロス・タナトス

自分が必ず死ぬことを忘れない
メメント・モリ

男を破滅させる魔性の女・運命の女
ファム・ファタール

などをテーマに
考察・15名の現代作家による
サロメの愛と死をクリエイションした展示です

中でも以前もレポートした
人形作家 愛美さんのクリエイトが私のお目当てですが…
KireiProject 美術室230926_02

…白い無機質な空間に幻想的な怪奇とエロスが
入り混じった数々の展示は
アーティストたちの独自の解釈で
クリエイトされた
平面・立体作品を間近に見る事が出来ました

私ならこのテーマをどう解釈するのだろう?などと思いながら
“サロメ”
“デカダンス”
のキーワード追求してみましょうか
KireiProject 美術室230926_03

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