COLUMN

コラム

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JAXA=宇宙航空研究開発機構が
14年ぶりに実施した
宇宙飛行士の選抜試験で過去最多の4127人の中から
女性が選ばれたのは
1999年の以来24年ぶりだそうです
日本人初の月面着陸を果たす可能性もあるとか
とにかく話題沸騰ですね

実はファッション業界でも
まるで予感していたような
視点でコレクションを発表した
日本のブランドがあります

それが日本人デザイナーが率いる
アンリアレイジの
2022‐23年秋冬コレクションです

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JAXA相模原キャンパスにある
宇宙探査実験棟で
デジタルコレクションを
発表しました

※JAXA相模原キャンパスにある「宇宙探査実験棟」
施設は月や惑星の表面地形を
模した実験場を備えた施設で
探査機等の実験に利用されている場所です ネット調べ※

簡単に言うと
宇宙で人類が活躍する
“未来のファッション”を
提案したわけです

宇宙探査に関わる研究開発の拠点が舞台となる
新作コレクションのテーマは
“プラネット”
JAXAから宇宙探査活動に関連する映像データの協力を受けて行われました

前シーズンでは
二次元と三次元を
越境するコレクションを
発表した
デザイナー・森永邦彦氏

今季のクリエイションに
向けて着目したのは”宇宙”
2つの星を繋ぐ“未来の服”と言った感じでしょうか

地球と月
384,400km離れた2つの星を
繋ぐ服を通じて
宇宙で人類が活躍する
未来のファッションをクリエイションしたわけです

最初に登場するのは
月面に見立てたランウェイを
浮遊しながら歩くモデルたち
身につけているのは
宇宙服のように膨らんだ洋服です足元のシューズでは
ニール・アームストロングが
人類初の月面着陸を
成し遂げる際に着用した
宇宙靴の底面が再現され
丸みを帯びた洋服は
アランセーターや襟付きシャツ
デニムジャケット
トレンチコートなど
地球上のあらゆる日常服が
登場します

正円のネックラインや
円筒のシルエットは小型の宇宙船を彷彿させて
宇宙に行くことを夢見た幼少期
にみたアニメのように
無邪気な気持ちを思い出します

これらの洋服には
NASAが開発したマイナス196℃をも断熱する宇宙服用の新素材
エアロゲルを使用しているそうです
また
MA-1など一部のアイテムには
“空調服”に用いられている
ファンを取り付け
機能性においても今季のテーマを
反映させています

真っ白なアイテムがコレクションを席巻する中で
一際目を引くのはオールブラックのドレスだったのではないでしょうか!

これらのピースは
生地に織り込まれた
繊細な光ファイバーによって
まるで液晶ディスプレイのように
光り様々な柄や色を映し出すことが可能だそうです

ルックでは
チェック柄から千鳥格子
地球を思わせるドット柄
“THE EARTH WAS BLUE”の
文字まで多種多様なデザインが
みられます

終盤には月から地球へと移動した
モデルたちが登場します

驚く程膨らんでいた
彼女たちの洋服は
重力の影響を受けて萎んでいます
キルティングドレスの肩や
ジャンプスーツのウエストラインは元の位置へと落下して
美しいドレープやギャザーになります
なんともストーリー性のある
プレゼンテーションです

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デザイナーの森永氏は
今回のコレクションを
手掛けるに当たり
『誰もが月と地球を往来し、国や人種さえも超えた“地球人”という感覚が日常になる日』に
思いを馳せたと言います

平和への祈りを込めながら
宇宙服と地球服を曖昧にした
“未来の服”は
“地球人”という感覚が日常になる
日を夢見て
ポジティブな気持ちにさせてくれる
メッセージ性の強いコレクションだったのではないでしょうか

夢と希望のファッション業界で
ありますように!と願う私です

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