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《鯛の九つ道具》
鯛、おもにマダイが持つ9種類の骨の総称。いずれも俗称で、鯛中鯛(たいのたい)、大龍、小龍、鯛石、三つ道具、鍬形、竹馬(ちくば)、鳴門骨(なるとぼね)、鯛の福玉の9種(うち「鯛の福玉」は実際には骨ではなく寄生虫)。9種のうち、鳴門骨、鯛の福玉を持つ鯛は非常に珍しく、ここから9つの骨を全部持っていると“物に不自由せず幸福になる”との言い伝えがある縁起物。【コトバンクより】

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鯛中鯛は特に縁起が良いと言われており、ご存じの方も多いことでしょう。

わたしの実家は愛媛県宇和島市で戦前から料亭を営んでいました。
宇和島という地域は、弥生時代から鯛が食されていたことが記録として残っています。
そのため宇和島の郷土料理は鯛を使ったものが多く、必然的にメニューにも鯛料理が並びます。

当店に美空ひばりさんが来店された時にも鯛中鯛を強く所望され、丁寧に壊さないよう取り出し、洗ってお渡しした思い出を、子どもの頃に母は語ってくれました。
「お財布の中に入れておくんですよ」と仰ったって。

わたしが若女将としてお客様に接するようになってからも、変わらず女将である母は鯛中鯛を大切に扱っていました。

お客様が召し上がったものから見つかった時は、そのものを洗い乾かして、お帰りの際にお渡ししていました。

また厨房で見つけたものもなるべく形を崩さないよう綺麗に取り出し、洗い乾燥させるのは女将の役目。
そしてなぜかその姿はいつも楽しそうに見えるのです。

お客様にこの由来をお話しすること。またそのことでお客様が笑顔になってくださること。
何より『御福わけ』をさせていただくことが嬉しかったのではないかと。

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やはりわたしにとって魚の王様は鯛。
そして鯛を食べるたびに、母を亡くした今でも、同じように鯛の鯛を探してしまう自分がいるのです。

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